主部・述部(主語と述語動詞)

 この記事では、英語の主部と述部について解説します。

 Hello!など、1語で文を形成する例もありますが、ここでは次のような典型的な例を話題にしたいと思います。

(1)I play tennis.(私はテニスをします。)
(2)You run fast.(あなたは速く走ります。)

山田(2011)より

 さて、このような文は、「ある事柄について、何かを述べる」(安藤2005)という形式を持っています。例えば、(1)I play tennis.では”私について、(私は)テニスをする”、(2)You run fast.では”あなたについて、(あなたは)速く走る”ということを述べています。この、”~について”という部分のことを主部、”~を述べる”という部分のことを述部と呼びます。

 また、主部と述部に似た用語として、主語と述語という言葉を聞いたことがある方がいらっしゃると思います。主部・述部の内、中心となる”語”のことをそれぞれ主語・述語と呼んでいます。例えば(2)You run fast.では主部・主語ともにyou、述部はrun fast、述語はrunとなります。ただし、句動詞や助動詞、進行形などは複数の語の集まりを述語と見なします(get up/can do/be doingなど)。また述語は、述語動詞や単に動詞と呼ばれることもあります。

まとめ
・典型的な文において、”~について”という部分のことを主部、”~を述べる”という部分のことを述部と呼ぶ。
・主部・述部の内、中心となる語のことをそれぞれ主語・述語と呼ぶ。

*今回参考にした安藤(2005)とForestでは、句動詞などを1つのまとまりだと考えて述語と考える点は共通していますが、主語に冠詞等を含めるかという点では異なります。安藤(2005)は冠詞を主語に含めると考えていないようですが、Forestには、「冠詞や代名詞などの限定詞を含めて主語と考えればよい」と書かれています。どちらの考えがよいかは、観点と目的に依ります。例えば言語の研究という観点からすると、主語・述語という概念を使ってどのような言語現象が説明できるか、その時1語のみを主語として考えた方がよりよい説明ができるか、あるいは冠詞なども含めて主語とした方がよりよい説明ができるかを考えることになります。また言語の学習・教育という観点からは、どちらの方がより学習効率がよいかという点でどちらの考えがよいか評価できるでしょう。

参考にした文献
安藤貞雄(2005)『現代英文法抗議』開拓社
石黒昭博 監修(2013)『総合英語 Forest 7thEDITION』桐原書店
山田暢彦(2011)『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』学研教育出版

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